月50時間の工数削減!アシスタント導入で、作業ではなく顧客への提案に時間を割けるカスタマーサクセス部が実現
株式会社ベーシック
カスタマーサクセス部 秋 在淳さん
導入の目的
資料作成やリマインド等の業務を切り出すことで社員が売上を上げるための提案に時間を割けるようにしたい
課題
既存顧客の増大に伴いカスタマーサクセス部門のリソースが不足
効果
・オンボーディングチームとソリューションチームのそれぞれで月50時間程度の工数削減を実現
・顧客への提案に時間を割けるカスタマーサクセスチームになった
創業事業である比較メディア運営で培ったWebマーケティングノウハウを活かし、これまで50以上の事業を展開してきた株式会社ベーシック。オールインワン型BtoBマーケティングツール『ferret One』、フォーム作成管理ツール『formrun』、国内最大級のWebマーケティングメディア『ferret』の3事業を柱として「マーケティングとテクノロジーで問題を解決する」という想いの実現に取り組まれています。
今回は、同社のカスタマーサクセス部の秋さんにお話を伺いました。
まずは御社の事業について教えてください。
当社の事業が最終的に目指している世界は「Webマーケティングの大衆化」です。具体的には、BtoB企業のマーケティング活動を、テクノロジーとノウハウを通じて支援しています。
これまで様々な事業を展開してきましたが、2021年よりSaaS事業に舵を切りました。現在の主力サービスは3つあり、1つ目はSLG SaaSであるオールインワン型BtoBマーケティングツール『ferret One』、2つ目はPLG SaaSであるフォーム作成管理ツール『formrun』、最後の3つ目が国内最大級のWebマーケティングメディア『ferret』です。
当社は創業初期よりWebマーケティング領域を中心に事業展開をしており、そこで培ってきた圧倒的なWebマーケティングノウハウを持っています。
その上で事業の1つであるferretは月間500万PV・会員数45万人超の日本最大級のWebマーケティングメディアであり、そこから当社のサービスに安定的に送客を行えるエコシステムを構築していることが当社の強みです。
既存顧客数の増加に伴い、CSのリソース不足が課題に
秋様の部署でクラウドワークス エージェントを導入いただいたのは2022年1月からですね。導入当時の課題やご状況について教えてください。
私がカスタマーサクセス部門(以下CS)に加わったタイミングでは、チームは5〜10名程度の組織でした。
雑務も含めて全ての業務を社員が担っていましたが、当時は既存顧客の継続率が30%ほどで、新規顧客は獲得できていたものの、解約する顧客も多かったんです。そのため、CSでは作業量が膨れ上がることもなく、業務自体は滞りなく進んでいました。
しかし、低い継続率のままではいけないので、改善を積み重ねていき、私が加わってから約1年で継続率90%にまで上昇しました。一方で、そうなると新規顧客数の増加とほぼ同じペースで既存顧客数も増え続けていくため、定常業務のボリュームが増加し、CSのリソース不足が課題として挙がってきました。
新規メンバーの自社採用も考えましたが、社内事情で実現が難しかったため、「自分たちで工夫してできることはないか?」と考えながら社内リソースのみで取り組んでいました。
この経験は、最小限の工数で業務を回すナレッジとして蓄積することができたため、結果的には良かったものの、顧客数が増え続けるにつれて作業時間が明らかに足りなくなり、別の手段を検討することになりました。
継続率改善によって顧客数が安定して増加するようになり、人員に対して業務量が多くなっていったんですね。
まさにおっしゃる通りです。CSには部署の立ち上げメンバーも含め、自分でやりきる力が強い人材が多かったので、そういった状況でも最初はなんとか回せていましたが、徐々にどうしても時間が足りなくなっていきました。
また「売上をつくるための提案をできる組織に変えよう」とCSのミッションを再定義する中で、社員がリソースを割くべき業務を見直す動きも始まり、クラウドワークス エージェント導入へと繋がっていきます。
クラウドワークス エージェントを知ったのは、過去にマーケティングの部署で活用していて、評判が良かった旨を社内メンバーから聞いたのがきっかけです。
どういう業務にリソースを圧迫されていたのでしょうか?
例えば、ミーティング前の資料作成です。1案件の作業時間は30〜60分であっても、それが月に5件、10件に増えると、業務量は膨大になっていきます。
その他にも、契約締結に向けた顧客へのリマインド業務や、社内で使っているSalesforceなどのツールでの更新作業にもリソースを圧迫されていました。
1人あたり月10〜20時間程度(全体の工数の10%程度)は、こうした作業に時間を使っているだろうと考え、まずはここから効率化していく方針となりました。
導入の決め手はスキルとコミュニケーションのマッチ度。実際に稼働しているアシスタントはチームに溶け込んで活躍中
導入前、他にも比較検討されたサービスはありましたか?クラウドワークス エージェントの決め手となったポイントがあれば教えてください。
当時は他にも4〜5つのサービスが候補として挙がっていました。
比較検討するうえではコスト感はもちろん、依頼業務とアシスタントのスキルセットがマッチしているかを重視しました。その他にも業務をスムーズにキャッチアップできそうか、私自身とコミュニケーションが合うかも重要だと考えています。
もしアシスタントが辞めてしまうと、再度イチから業務のやり方を伝え直さなければなりません。過去に似たような事象で困った経験もありましたので、相性なども含めて確認するようにしています。
導入前に不安だったことや懸念点はありましたか?
実は、これまでにも契約社員や派遣社員の方にパートナーとして業務をお願いしたこともあったのですが、 クオリティが高い方と低い方が明確に分かれていました。
そのような背景もあり、クラウドワークス エージェントに対しても「本当に効率化に繋がるんだろうか?」「しっかりと業務をやり切ってくれるのだろうか?」という懐疑的な気持ちがあったのは事実です。
また、過去にお願いしていた業務委託や他社のアシスタントサービスでは、作業者が頻繁に変わってしまうことがありました。そうなると、作業者が変わるたびにレクチャーや選考を行う必要があるため、非常に工数が掛かっていました。
このような過去の経験があったので「業務を依頼したい」と思いつつも、その業務を完全に引き継げるとは信じきれていませんでした。
過去に他サービスで苦労された部分があったのですね。クラウドワークス エージェントは実際に導入してみていかがでしたか?
まず結論として、ネガティブなギャップはなかったです。
ポジティブなギャップとしては、まずアシスタントが私たちのチームにうまく溶け込んで機能してくださっているのが、想像以上に良かったポイントです。
またこちらが依頼した仕事をしっかりと業務時間内で終わらせてくれるのも助かっています。最初は「月50時間の契約といっても、実際に稼働が始まると契約時間を超過してしまってコストが読めなくなるのでは」という懸念がありましたが、きっちり時間内でやり切ってくれるので素晴らしいなと思っています。
具体的な運用面では、「各業務がどれくらい発生して、所要時間は何分」というマニュアルを情報共有ツール「Kibela」で作っています。このKibela上で各アシスタントが「該当業務を習得しているのか/していないのか」を一覧で把握できるようにしていますが、現在のアシスタントは、マニュアルで設定した時間通りに全てをこなしてくれています。
依頼した業務をしっかりとこなせる、高いスキルセットを持った方に入っていただけて大変助かっています。
月50時間の工数削減!マニュアル化の徹底・スキルマッチするアシスタントへの業務依頼によって、社員は顧客への提案に時間を割けるように
導入後の効果として実感されたことはありますか?
CS内でオンボーディングチームとソリューションチームの2つがあるのですが、それぞれのチームで月50時間程度の工数を削減することができました。
導入前は、「今の人員計画で予定通りに受注が入ってくると、確実にパンクする」という懸念があったのですが、それを阻止できたのは良かったです。
またソリューションチームでは、作業工数を削減できたことで、社員がお客様に継続利用していただくための提案に時間を割けるようになりました。
このように、本来やるべきことに時間をかけられる体制を築けたことも効果として感じています。
依頼業務の一覧化など、業務の標準化をしっかりされていると感じたのですが、アシスタントに依頼する業務としない業務は、どういった基準で判断されていますか?
基本的にはマニュアル化できた業務を依頼するようにしています。その際、少しでも思考を伴う業務は工数が読めないため、思考を伴わない作業系の業務からマニュアル化することを徹底しています。
こうしたマニュアル化は、「業務を属人化させない」という会社の文化が強く影響していて、「細かいところから型化していく」ことを全社的にも取り組んでいます。
ちなみに思考を伴う業務については、その中でも
・社内のみで完結するもの
・社外とのやり取りが発生し、テキストコミュニケーションで完結するもの
・社外とのやり取りが発生し、会話ベースのコミュニケーションが発生するもの
に分類しており、下に行くほど難易度が高くなると考えています。
現在アシスタントには、主に思考を伴わない業務を依頼していますが、今後は商談同席や顧客とのメール対応など、より難易度の高い業務にも取り組んでもらえると嬉しいですね。
稼働中のアシスタントについてはいかがですか?
満足度で言えば、10点満点で10点です。
私のように業務上のやり取りを直接行わないメンバーに対しても、Slack上で積極的にメンションして、コミュニケーションを取ってくれていて、業務をスムーズに回すうえで素晴らしいなと感じています。
例えば、役職者が相手だと気持ち的に少し連絡しづらくなり、「それは社員の方からお願いします」となってしまいがちだと思うんですが、クラウドワークス エージェントのアシスタントはそういったことを気にせず積極的に連絡してくださるので大変ありがたいですね。
ご契約前にアシスタントの経歴などもご確認いただきましたが、意識して確認したポイントはありますか?
柔軟な対応をしていただくためにも、コミュニケーションスキルは重視していました。
またスプレッドシートの操作など基本的なITスキルはもちろん、SaaS系のサービスへの慣れや新しいツールを使うことへの抵抗が無いかも確認しました。
最後はカルチャーフィットですね。当社は助け合う文化が非常に強いので、自発的に動かないタイプの方ですと、仕事がやりづらくなる可能性が高いので、当社にマッチする方かどうかも確認ポイントでした。
今後も最適なアシスタント人材の提案に期待
クラウドワークス エージェント活用のコツがあれば教えてください。
まずは業務のマニュアルをしっかり作り、各業務に対してどれくらい時間がかかる想定かを明確にしてアシスタントにも伝えることが大切です。
依頼を受けるアシスタントの目線で考えても、各業務の想定所要時間が分からないと、時間を意識して効率的に働くことはできないはずです。
またアシスタントには、1ヵ月程度で立ち上がってもらうイメージで業務をお任せしていました。業務の内容自体は難しいものではないこともあり、一通りの業務を1か月で経験してもらったら、2回目からはご自身で対応できるようにしています。
今後、どのようにクラウドワークス エージェントを活用していきたいとお考えですか?
CS部としては、とにかく顧客との接点を持ち、そこから提案につなげ、売上を創出することに注力していきたいと思っています。
そのために、顧客との折衝以外の業務はマニュアル化し、外部への切り出しを習慣化することが必要です。まずは、作業系のタスクについて、全て外に出せるような状態を目指していきます。
その状態を実現するために、今後も「こういった方はいませんか?」と御社にご相談できればと思いますので、その都度、条件に合う人材をご提案いただけることを期待しています。
また、思考を伴う業務ができる人材も必要になってきますので、そこもクラウドワークス エージェントを活用してリソースを確保できると嬉しいなと思います。